役場事務・兵事

役場は、次のような事務を担当していた。町村制では第一課は公民の受付、発送、会議、戸籍、兵事、衛生、社寺、教育、勧業、その他第二課に属さないこと。第二課は、土木、地理、徴税、出納、調度であった。役場の仕事のほとんどは、国家および国家の地方行政機関であった県の出先としての事務であった。戸籍のほか特に今日の役場とは異なり兵事と寺社の仕事が重要であった。財政面の支出からみると小学校の教育行政が最も大きな比重を持ち、伝染病流行期の衛生や水害等の復旧土木事業も重要な業務であった。兵事については、明治三四年の事務受継書類綴の中に、村民が兵役に動員されていく姿をみることができる。引継目録だけで、内容的にはわからないが、陸軍召集準備書類の部には在郷軍人名簿、第二補充兵名簿があり、在郷軍人については在郷軍人寄留旅行名簿があって、いつ動員令があっても通知できるように体制を整えていたことがわかる。国民兵召集準備書類の部には、第一国民兵名簿、第一、第二国民兵人員表があり、徴兵検査で現役をまぬがれた第二国民兵についても、戦時事変の際必要なだけ召集できる体制がとられていた。軍国日本の中で、村役場は、兵役動員の重要な役割を持っていたのである。

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